社労士から一言~雇用促進計画の受付がスタート
「雇用促進税制」の適用を受けるために必要な雇用促進計画の受付
が8月1日からスタートしています。
この雇用促進計画は、平成23年度税制改正法案成立に伴って
創設された「雇用促進税制」の適用を受けるために必要な書類であり、
雇用を増やすなど一定の条件を満たした企業に対して、
増加人数1人あたり20万円
(当期の法人税額の10%、中小企業は20%が限度)
の税額控除が受けられることになっています。
ただし、税額控除を受けるためには次のような条件をクリアする必要があります。
(1) 雇用促進計画を事業年度開始後2か月以内に
ハローワークへ提出(平成23年4月1日から8月31日までの間に
事業年度を開始する事業主は、10月31日まで)
(2) 年間10%以上かつ5名(中小企業は2名)以上従業員を増やす
(3) 適用する年度の給与総額が比較給与等支給額以上である
(4) 当事業年度、前事業年度において事業主都合の離職者を出さない
(5) 青色申告書を提出する事業主であること
(6) 風俗営業等を営む事業主ではないこと
適用を受けるための手続きは以下のようになっています。
(1) 事業年度開始後2カ月以内に、目標の雇用増加数などを記載した
「雇用促進計画」を作成し、ハローワークに提出します。
(2) 事業年度終了後2カ月以内(個人事業主については3月15日まで)に、
ハローワークに雇用促進計画の達成状況の確認を求めて下さい。
確認を求めてから返送まで2週間~1カ月程度の期間を要するようですので、
確定申告期限に間に合うように注意して下さい。
(3)確認を受けた「雇用促進計画」の写しを確定申告書等に添付して、
税務署に申告を行います。
適用条件(3)にあるように、適用を受けるためには
一定額以上の給与を支給する必要があります。
従業員が増えれば額面給与以外にも社会保険料の負担も増えることになります。
人件費の増加コストと受けられる税額控除の額を考慮した上で、
自社の技術や知識の承継なども視野に入れた長期的な
採用計画を立てる必要があるでしょう。
参考:厚生労働省「雇用促進税制」
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudouseisaku/koyousokushinzei.html
(特定社会保険労務士・行政書士 比良さやか)