2010年8月アーカイブ

安全衛生管理体制について

 

社労士から一言~安全衛生管理体制について~


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(c) Elle写真素材 PIXTA


まだまだ厳しい残暑が続いています。

前回は職場での熱中症対策についてお知らせしましたが、

今回は労働安全衛生法に定められている安全衛生管理体制について

簡単に説明したいと思います。


労働安全衛生法という法律は、

事業主の皆さんも一部の業種の方などを除いて、

段あまりなじみのない法律だと思いますが、

業種や規模にかかわらず適用される労働災害防止に関する規定

健康診断に関する規定などを定めた身近な法律でもあります。


労働安全衛生法では、企業の自主的な安全衛生活動のための

体制を確立するために、

一定規模以上の事業場ないし一定の業種の事業場において、

総括安全衛生管理者、安全管理者、衛生管理者の選任

労働基準監督署長への報告等が義務付けられています。


・「総括安全衛生管理者」は安全管理者や衛生管理者の指揮をするとともに、

労働者の安全管理体制を統括管理する立場の責任者です。

選任義務は規模や業種によって次のように決められています。


林業、鉱業、建設業、運送業、清掃業では

常時使用する労働者が100人以上の事業場


製造業、電気業、ガス業、水道業、通信業、

各種商品卸売・小売業、旅館業、自動車修理業、機械修理業等では

常時使用する労働者が300人以上の事業場


その他の業種では

常時使用する労働者が1000人以上の事業場


・「安全管理者」は作業場の巡視や設備、作業方法等の危険防止措置を

講じるなど、総括安全衛生管理者が統括管理する業務のうち

安全に係る技術的事項を管理します。

理系の課程を修了し産業安全の実務経験(学歴により年数が違います)

のある者で厚生労働大臣が定める研修を修了した者や、

労働安全コンサルタントの中から選任しなければなりません。


選任義務のある事業場は常時50人以上の労働者を使用する

林業、鉱業、建設業、運送業、清掃業、製造業、電気業、ガス業、

水道業、通信業、各種商品卸売・小売業、旅館業、

自動車修理業、機械修理業等となっています。


・「衛生管理者」は少なくとも毎週1回作業場等を巡視し、

労働者の健康障害を防止する措置を講じるなど、

衛生管理に係る技術的事項の管理を行います。

業種を問わ常時50人以上の労働者を使用する事業場

ごとに選任しなければならず、

また、労働者の人数によって選任すべき

衛生管理者の人数も決められています。

衛生管理者は都道府県労働局長の免許

(第1種衛生管理者免許、第2種衛生管理者免許、衛生工学衛生管理者免許)

を受けた者、

医師又は歯科医師、労働衛生コンサルタント等の資格を有する者

でなければなりません。

また業種によって必要とされる資格も違っています。


・「産業医」は業種を問わず常時50人以上の労働者を使用する事業場

ごとに選任することになっています。

どの医師でも良いというわけではなく、

厚生労働大臣指定の研修を修了した者

一定の要件に該当する医師でなければなりません。


・その他10人以上50人未満の労働者を使用する中小規模の事業場では

業種によって全衛生推進者衛生推進者を、

また一定の危険有害な作業を行う場合には作業区分に応じて

作業主任者を選任しなければならないことになっています。


特定の業種以外の事業主の皆さんにとっては

あまり関係のないことのように感じられたかもしれませんが、

衛生管理者のように業種に関係なく労働者数が一定数以上なれば

選任義務が発生する場合もあります。

会社の規模が大きくなり、いざ選任しようと思っても、

免許を持っている労働者がいなければ要件を満たすことが出来ません。

衛生管理者試験は毎月行われていますが、

自社の労働者がその試験に合格してくれないことには

選任することが出来ないという事態も発生します。


従業員の教育訓練やモチベーションアップのため、

日頃から色々な資格や免許取得に挑戦するよう会社として

バックアップすることも必要でしょう。

その際には雇用保険の教育訓練給付などをうまく利用するようにすれば

費用負担も多少はおさえられます。

ただし、免許取得費用等を会社が負担し、

一定期間内に退職した場合は全額その費用を返還させる

といった契約は、

内容によっては労働基準法第16条(賠償予定の禁止)に違反する

おそれがありますので、注意が必要です。


(特定社会保険労務士・行政書士 比良さやか)

 

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社労士から一言~安全衛生管理体制について~
まだまだ厳しい残暑が続いています。前回は職場での熱中症対策についてお知らせ
しましたが、今回は労働安全衛生法に定められている安全衛生管理体制について簡単
に説明したいと思います。
労働安全衛生法という法律は、事業主の皆さんも一部の業種の方などを除いて、普
段あまりなじみのない法律だと思いますが、業種や規模にかかわらず適用される労働
災害防止に関する規定や健康診断に関する規定などを定めた身近な法律でもありま
す。
労働安全衛生法では企業の自主的な安全衛生活動のための体制を確立するために、
一定規模以上の事業場ないし一定の業種の事業場において、総括安全衛生管理者、安
全管理者、衛生管理者の選任や労働基準監督署長への報告等が義務付けられていま
す。
・「総括安全衛生管理者」は安全管理者や衛生管理者の指揮をするとともに、労働者
の安全管理体制を統括管理する立場の責任者です。選任義務は規模や業種によって次
のように決められています。
林業、鉱業、建設業、運送業、清掃業では常時使用する労働者が100人以上の事
業場
製造業、電気業、ガス業、水道業、通信業、各種商品卸売・小売業、旅館業、自
動車修理業、機械修理業等では常時300人以上、その他の業種では常時1000人以上
・「安全管理者」は作業場の巡視や設備、作業方法等の危険防止措置を講じるなど、
総括安全衛生管理者が統括管理する業務のうち安全に係る技術的事項を管理します。
理系の課程を修了し産業安全の実務経験(学歴により年数が違います)のある者で厚生
労働大臣が定める研修を修了した者や、労働安全コンサルタントの中から選任しなけ
ればなりません。選任義務のある事業場は常時50人以上の労働者を使用する林業、鉱
業、建設業、運送業、清掃業、製造業、電気業、ガス業、水道業、通信業、各種商品
卸売・小売業、旅館業、自動車修理業、機械修理業等となっています。
・「衛生管理者」は少なくとも毎週1回作業場等を巡視し、労働者の健康障害を防止
する措置を講じるなど、衛生管理に係る技術的事項の管理を行います。業種を問わ
ず、常時50人以上の労働者を使用する事業場ごとに選任しなければならず、また、労
働者の人数によって選任すべき衛生管理者の人数も決められています。衛生管理者は
都道府県労働局長の免許(第1種衛生管理者免許、第2種衛生管理者免許、衛生工学
衛生管理者免許)を受けた者、医師又は歯科医師、労働衛生コンサルタント等の資格
を有する者でなければなりません。また業種によって必要とされる資格も違っていま
す。
・「産業医」は業種を問わず常時50人以上の労働者を使用する事業場ごとに選任する
ことになっています。どの医師でも良いというわけではなく、厚生労働大臣指定の研
修を修了した者等一定の要件に該当する医師でなければなりません。
・その他10人以上50人未満の労働者を使用する中小規模の事業場では業種によって安
全衛生推進者や衛生推進者を、また一定の危険有害な作業を行う場合には作業区分に
応じて作業主任者を選任しなければならないことになっています。
特定の業種以外の事業主の皆さんにとってはあまり関係のないことのように感じら
れたかもしれませんが、衛生管理者のように業種に関係なく労働者数が一定数以上に
なれば選任義務が発生する場合もあります。会社の規模が大きくなり、いざ選任しよ
うと思っても、免許を持っている労働者がいなければ要件を満たすことが出来ませ
ん。衛生管理者試験は毎月行われていますが、自社の労働者がその試験に合格してく
れないことには選任することが出来ないという事態も発生します。
従業員の教育訓練やモチベーションアップのため、日頃から色々な資格や免許取得
に挑戦するよう会社としてバックアップすることも必要でしょう。その際には雇用保
険の教育訓練給付などをうまく利用するようにすれば費用負担も多少はおさえられま
す。ただし、免許取得費用等を会社が負担し、一定期間内に退職した場合は全額その
費用を返還させるといった契約は、内容によっては労働基準法第16条(賠償予定の禁
止)に違反するおそれがありますので、注意が必要です。
(特定社会保険労務士・行政書士 比良さやか)


 

職場の熱中症にご注意を!

社労士から一言

~職場の熱中症にご注意を!~


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梅雨が明けたとたんに全国各地で連日猛暑日が続いています。

熱中症による死者もついに100人を超えたとのニュースを

目にされた方も多いのではないでしょうか?


厚生労働省から「職場における熱中症の予防について」というパンフレットが出て

いますので、今日はその中から熱中症対策についてご紹介したいと思います


まず作業管理については


作業の休止時間及び休憩時間の確保、高温多湿作業場所の作業を連続して行う時間の短縮。


例えば7日以上かけて徐々に熱へのばく露時間を長くしていくなど、計画的に、熱への順化期間を設ける


喉が渇くなどの自覚症状の有無にかかわらず、作業の前後や作業中に定期的に水分及び塩分を摂取するよう指導する。摂取確認の表を作成したり、監督者が作業中に巡視するなどして摂取を徹底させる。


熱を吸収し、又は保熱しやすい服装を避け、透湿性及び通気性の良い服装を着用させる。また、直射日光下では通気性の良い帽子等を着用させる。


水分及び塩分の摂取確認とともに、熱中症の疑いのある労働者を発見した場合は速やかに作業を中断させ、必要な措置を講ずる等高温多湿場所の作業中は巡視を頻繁に行う


日常の健康管理としては


糖尿病、高血圧症、心疾患、腎不全等の疾患は熱中症の発症に影響を与えるおそれがあり、これらの疾患の治療中の労働者については、主治医の意見を勘案し、必要に応じて、就業場所の変更、作業転換等の適切な措置を講じる


睡眠不足、体調不良、飲酒、朝食の未摂取、発熱や下痢による脱水症状は熱中症の発症に影響を与えるおそれがあるため、日常の健康管理についての指導を行うとともに、健康相談を実施する。


作業開始前、作業中の巡視などによって労働者の健康状態を確認する。


救急処置としては


あらかじめ、病院等の所在地及び連絡先を把握するとともに、緊急連絡網を作成し、関係者に周知する。


体温が高い、顔が赤い、身体が熱い、汗をまったくかかず乾いた皮膚などの熱中症が疑われる症状の労働者を発見したら、直ちに作業を休止し涼しい場所で安静にさせる(その際には決して一人にしない)、水やスポーツドリンクを飲ませる、体温が高い場合は衣服をゆるめ、水をかけるなどして体温の低下につとめる、意識障害がある場合などは直ちに医師の手当を受けさせる。


以上の対策を日頃から作業責任者や現場監督者に周知させることが大切です。また、今年の熱中症による死者の半数以上は屋内での発症によるものです。炎天下の作業だけでなく、蒸し暑い工場内などでも注意が必要です。


業務上の災害については事業主が責任を負うことになっており、

労働基準法、労働安全衛生法、労災保険法といった法律が定められています。

昨今では労災保険の給付に留まらず、被災者本人や遺族から

安全配慮義務違反」を問われて民事上の損害賠償請求訴訟を起こされる

ケースも増えています。

このような裁判は場合によっては経営に深刻な影響を与えかねません。

それ以前に労働者の安全と健康を守ることは事業主としての責務です。

快適な職場環境を整えることは労働者の健康を守ると同時に

業効率のアップにもつながり、職場に活気をもたらします。

この機会に今一度、

皆さんの職場環境、作業手順を見直してみてはいかがでしょうか。


参考:

http://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/06/h0616-1.html

職場における熱中症の予防に付いてのパフレット


 (特定社会保険労務士・行政書士 比良さやか)


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